狂犬病は日本で発生がないのに、狂犬病ワクチンは毎年接種しないといけないのでしょうか?

以下二つの観点から狂犬病ワクチンは接種の必要があります。

  1. 法律で義務付けられているため。
    狂犬病予防法で飼い主さんには、生後91日以上のワンちゃんを飼い始めてから30日以内に飼い主の登録の届出、および1年に1回の狂犬病ワクチンの接種が義務付けられています。違反者には20万以下の罰金が科されます。近年では狂犬病ワクチン未接種犬が咬傷事故を起こし、咬傷犬の飼い主が逮捕される事例が起こっています。
  2. 狂犬病のまん延を防ぐため。
    狂犬病は全ての哺乳類に感染し、人は主に犬を介して感染します。感染後発症すると、ほぼ100%死に至るという非常に恐ろしいウイルス感染症で、今でも世界で年間約55,000人が狂犬病に罹患し命を落としています。幸いにも日本は予防医療が浸透し、1956年以降狂犬病の発生がない清浄国の一つです。実はこの清浄国が非常に少なく、日本以外で現在英国の一部、ニュージーランド、オーストラリア、北欧諸国の一部に限られているのが実情です。

    そういった中、昨今のグローバル化で人や物の行き来は以前よりも活発になっており、特に港のある街では寄港した外国船籍の船内から狂犬病にかかった犬やその他の哺乳動物が日本にウイルスをもたらすリスクが危惧されています。